『マダムプティ』は、「別冊花とゆめ」で連載されていた人気の少女マンガです。
今回の記事では、このマンガの最終回やどのように物語が終わったのかについて、わかりやすくお話ししますね!
それでは、『マダムプティ』の物語を一緒に振り返って、その魅力を再発見しましょう!
【マダムプティ】のあらすじは?物語を紹介!
『マダムプティ』の物語は、主人公・万里子がとても大変な境遇に立たされるところから始まります。
万里子は亡くなった父の借金を返すために、年のかなり離れた青山俊と結婚します。
しかし、二人が新婚旅行で列車に乗っているときに、俊が突然遺体で発見されてしまいます。
ところがこれは偽装で、俊は本当は生きていて、自分の愛する人と一緒に生きるために駆け落ちをしたのでした。
急に未亡人となってしまった万里子は、その列車の中でニーラムという人物と行動をともにし始めます。
ニーラムとの関係が深まるにつれて、彼がインドの藩王国の王子であること、そして彼の旅の目的が母を殺した異母兄を討つことであることが明らかになります。
物語はさらに進み、万里子がニーラムの復讐劇に巻き込まれていくことになります。
【マダムプティ】メインの登場人物を解説
マダムプティに登場するキャラクターを紹介します。
ストーリーに欠かせない主要人物の詳細を見ていきましょう!
【青山 万里子】
青山万里子は、16歳の明るく元気な少女で、ちょっぴりおてんばな面もあります。
乗馬が得意で、言葉の才能も持っています。
彼女は家の借金を返すために、年上の青山俊と結婚しますが、新婚旅行で列車に乗っているときに夫が亡くなり、突如未亡人となってしまいます。
万里子は心が強く、人情深い女の子です。
最初はニーラムのことをあまり好きではありませんでしたが、一緒に時間を過ごすうちに彼の真の姿を知り、徐々に彼に惹かれていきます。
【ニーラム】
ニーラムは、青山俊の仕事仲間であるエドワードを手伝っているインドの青年です。
彼と一緒にいるうちに、実は西インドの藩王国の第二王子であることが明らかになります。
彼の母親は異母兄弟であるパドマによって殺されており、その復讐を果たすことがニーラムの旅の主な目的です。
当初は単なる旅の同行者として万里子と行動を共にしていましたが、万里子が自分を理解しようと努力する姿に次第に心を開き、彼女に惹かれていきます。
【パドマ】
パドマは西インドの藩王国の第一王子で、彼の人生は非常に複雑です。
彼の実母クリシュナは彼を阿片漬けにし、麻薬に依存させて自分の支配下に置こうとしました。
この状況に恐怖を感じたパドマは、自分をこのようにした母を殺害する決意を固めます。
しかし、その過程で悲劇が起こります。
彼は母クリシュナを狙っていたにもかかわらず、誤ってニーラムの生母であるマヤを殺めてしまい、その罪悪感と絶望から故国を離れて逃亡します。
【青山 俊】
青山俊は、万里子よりも30歳年上の実業家で、彼女と結婚したばかりでした。
二人が新婚旅行に出かけた際、俊は列車内で遺体として発見されるという衝撃的な出来事があります。
しかし、この「死亡」は実は俊が友人たちと計画した偽造だったのです。
彼は自分のすべてを捨てて、異国に住む愛する人との新しい生活を始めるために駆け落ちを選んだのでした。
【エドワード・ペイトン】
エドワード・ペイトンは青山俊の仕事仲間で、物語の中で重要な役割を果たします。
俊が亡くなった後、万里子はさまざまな困難に直面しますが、エドワードが彼女の支えとなります。
後に万里子はエドワードのもとに身を寄せ、二人は共にアメリカへと渡ります。
「マダムプティ」最終章までの流れをおさらい
ではさっそく、マダムプティ最終局面までのストーリーを一緒に振り返っていきましょう!
2人の愛が育っていく!事件の真相が発覚
ニーラムは異母兄である「パドマ」が生母を殺した真相を知り、復讐の心を捨てることに決めました。
その代わり、彼はパドマの名誉を回復し、真の悪であるクリシュナを倒すためにインドに戻る決心をします。
クリシュナは王宮を暗躍する悪の根源であり、ニーラムは彼女を止めることで国と家族の平和を取り戻すことを望みました。
一方で、ニーラムに対する自分の感情に気づいた万里子は、彼のそばにいるために男装をして友人を装い王宮に潜入します。
彼女のこの勇敢な行動から、彼の目的を共に遂げるための決意を示しているのがわかりますよね。
王宮の内部で、クリシュナが支配する陰謀と暗闇に2人は直面していきます。
「王座と愛」どっちをとる?王子の決断は
ニーラムは王族として大変難しい選択を迫られます。
彼がクリシュナを王宮から追放するためには、王になるしかありません。
でも、万里子との愛を選ぶなら、王の座を捨てなければなりません。
王になると、いくつもの姫君と結婚しなくてはいけない義務があるのですが、万里子は他の誰かを愛することを受け入れられず、涙を流してしまいます。
その涙を見てニーラムの心は揺れ動きます。
彼は大事な決断をしなくてはなりません。王座を選ぶのか、それとも一途な愛を選ぶのか。
最終的にニーラムはクリシュナを前にして、自分の決意をはっきりと告げます。
「私は王となり、あなたをこの王国から追放する」と。
これは、彼が王としての責任を全うする決心を固めたことを意味します。
これは国の未来と正義を最優先に考えた、一人前の王族としての選択だったのです。
クリシュナ王妃が持っていた密約の証拠
クリシュナ王妃がついに捕らえられたとき、とても大変な事態が起こります。
彼女の侍女が毒を盛ってしまい、クリシュナは崩れ落ちる間際に大切なものを残しました。
それは、英国大使と藩国の宰相が密かに交わしていた取引の証拠です。
この証拠は、3人がそれぞれ持つことでお互いが裏切らないようにするためのものでした。
宰相のサインが記されたこの証拠を手に入れることができれば、とても大きな力になるのです。
そして、その大事な証拠が英国大使の奥さん、リタの日傘の中に隠されていることが分かりました。
リタはその日傘を渡す条件として、青山俊が万里子に遺した指輪との交換を求めます。
万里子はその条件を受け入れ、指輪を渡すことにしました。
【マダムプティ】最終回の結末をネタバレ解説!最後はどうなる?その後の展開は
最終回、万里子とニーラムの恋の行方はどうなるのでしょうか?感動のラストに向けて怒涛の展開が続きます。
2人の愛の証
英国大使、そして宰相の暗躍の証拠を明らかにしたため、事件は解決しましたが、クリシュナ王妃は塔から身を投げてしまいます。
これにより、一つの悲しい結末が訪れます。
一方、ニーラムは万里子が決めたことをなかなか受け入れられません。
彼は、万里子が自分のために何かを犠牲にすることを望んでいなかったからです。
しかし、万里子が指輪を手放したのは、ニーラムのためだけではありませんでした。
彼女は、もうすぐ王となるニーラムを支えたいという強い思いがあり、自分の愛を彼の心に残したいと願っていました。
そして、自分自身の愛を示す方法として、深い決意のもとに行動したのです。
「私のために、私が示した愛はすべて、私のためにしたことだった」と気づいた万里子は、空を見上げて涙します。
彼女の涙は、深い愛情と複雑な感情の表れで、最も大切な彼への無償の愛を描いたシーンでもありました。
身分を隠してのデートで気持ちを確かめ合う二人
ニーラムは、自分が藩王国の王子だと知られていない遠くの町に万里子を連れて行きます。
そこで、彼は万里子に自己犠牲のことで厳しく責めすぎたと謝ります。
二人きりの時間を過ごす中で、ニーラムは後宮を持たないという大きな決断を万里子に伝えます。
彼はパドマの新しく生まれたばかりの王子が成長するまでの間、王位を中継ぎとして務めると言うのです。
その後は新王子に王位を譲り、自分自身は後継者を作らないと宣言します。
万里子の人柄は側近たちにも認められていますが、彼女が日本人であるため王宮にとっては異質な存在です。
それでもニーラムは万里子を手放すことができません。
このニーラムの気持ちを知った万里子は、彼との関係が困難を伴うことを承知の上で、自分から決して彼を手放さないと決心します。
王宮は大パニック!忍び寄る影
ニーラムの突然の宣言が王宮内を混乱させる中、万里子に対する噂が広まります。
彼女が異国の女性であることから、一部の人々は彼女を「売女」と罵ります。
また、クリシュナ妃や宰相の処断に不満を持つ残党が動く可能性もあり、王宮は油断できない状況です。
このような中、万里子はパドマの赤ちゃんを出産したばかりのミーナを訪ねます。
そこで、ニーラムのフィアンセであった「タラ姫」が翌日この場を去ることを知りました。
クリシュナによって進められた縁組であったため、タラ姫は今回の事件で社会的に穢れを背負ってしまい、これからの縁談は望めない立場に追い込まれていたのです。
万里子は他人の陰謀によって人の幸福が左右されることは決して許されないと考えます。
彼女はニーラムに協力を求め、一緒に解決策を考えてほしいと訴えました。
その時、宰相の配下が隠れていた場所から銃を撃ちます。
ニーラムは凶弾にたおれますが、なぜか出血はありません。
以前万里子が持っていた髪の毛が入ったシガレットケースが、彼を守っていたのです。
さらに事件は続き、タラ姫の侍女が万里子を突き落とそうとします。ニーラムは咄嗟に万里子を庇い、二人はワニのいる池に落ちます。
万里子は臆せず即座に池に飛び込み、ニーラムを救います。
この勇敢な行動により、従者たちは万里子が実は少年ではなく、王子の想い人であることを察します。
この一連の出来事により、王宮内で万里子の立場が見直され始めます。
ニーラムの付き人・バラッドもついに彼女の存在を認めるようになります。
しかし、肝心なのは藩国民を含めた広い範囲での人心の理解を得ることです。
この状況を打開するため、バラッドが一つの提案をします。
2人が結ばれるには条件がある
バラッドは、苦肉の策として彼ら2人が十年間会わないという提案を行いました。
つまりこの期間、ニーラムは王位を継承し、パドマの息子が王として適切な年齢に達するまでその務めを果たすということ。
そして、そのくらい年月が経てば、新しい王に譲位し、2人が結婚しても問題ない状況になるであろうと考えたのです。
万里子が側にいないことに苦しみ、顔を歪めるニーラムに、万里子は手を差し伸べ、二人で王宮の景色を一緒に眺めました。
王宮に来てから多くの恐ろしい出来事がありましたが、国の景色はいつも美しかった。
かつて万里子が言った言葉を思い出します。「本当の景色を見たことがある?大切な人と一緒に見れば、どんな所にも肉体の温度が宿るの。その美しさを」
2人は王宮の景色を見ながら、離ればなれになる未来に向けて心の準備をしているのでした。
ニーラムの示した「愛の証」
いよいよ10日後にフランスへ戻ることを決めた万里子。
別れが近づく中、彼女は涙をこぼしながらニーラムに願います。
「朝まで私を離さないでいてくれる?」ニーラムは彼女の涙を見て、深く感じ入り、「もちろん離さない…」と言いながら優しくキスをし、抱きしめます。
二人はその夜、身も心も深く結ばれ、万里子が目覚めると、シーツ一面に美しい花が広がっていました。
これはニーラムがみずから摘んだものでした。
さらに、万里子は自分とニーラムの手首に同じブレスレットがはめられていることに気づきます。
そして、ついに別れの時がやってきます。
船の上で万里子は新聞記事を目にし、新王の婚約が報じられていることを知ります。
ニーラムは王族が婚約するときに使う「国宝」を身につけて国民の前に現れたとのこと。
その時、万里子は自分の腕にあるブレスレットがその国宝の対の一部であると知りました。
そして、即座にそれがニーラムからの最後のプレゼントだったことを理解します。
この行動は彼の深い愛と覚悟を示しており、万里子はその重みと強い想いを感じ取りました。
離れていても、彼の心はずっと彼女と一緒にあるということ。
別れの悲しみの中で、万里子は時間が嵐のように速く進んで再びニーラムと会える日が来ることを切に願いながら涙を流します。
そして10年後!2人の結末は
十年の時が流れ、1940年の春、万里子はエドワードの元に身を寄せてアメリカへ渡っていました。
その頃、欧州は戦争に深く巻き込まれており、ニーラムからの手紙もなかなか届きませんでした。
エドワードは万里子に対して、「走って行ってもいいんだよ?」と言いますが、大人になった万里子は従順で、以前のような大胆さを失っていました。
戦火は世界中に広がり、英国の同盟国であるインドも出兵の要請を受けています。
活動的なニーラムが国民を戦地に送り出している中で、ただ静かにしているわけがありません。
国境警備の任務に就くことになりました。
エドワードは万里子に「走れ、万里子!」と背中を押します。
その呼びかけに応じて万里子が駆け出すと、そこには彼女を迎えに来たニーラムの姿がありました。
二人は十年越しの再会を果たし、万里子はもう二度と離れたくないという強い気持ちを胸に、ニーラムの駐屯地にまでついて行きます。
これからはずっと一緒にいることを誓います。
世界は依然として戦争の影に覆われていますが、二人はお互いの隣にいる幸せを噛みしめました。
彼らの笑顔が互いの支えとなり、困難な時も共に乗り越えていく力となるのです。
そして、ニーラムと万里子の旅は、これからも続いていきます。
ヒロインの芯の強さが光る名作!ぜひ読んでみて!
十年後も変わらない想いを持ち続けた二人の物語は、感動的なフィナーレを迎えました。
物語は最後まで予測不可能な展開が続き、キャラクターの心理もていねいに描かれているため、読む人を作品の世界に深く引き込みます。
二人が幸せになれたことを心から感じることができ、読後感はとても温かいものがありましたよ。
この物語は、インドの王子様と大和撫子の大恋愛を描いたものです。
ロマンチックで感動的なこの物語を、ぜひ読んでみてください。
よくある異文化ものではなく、真に育まれた愛の力を感じることができますよ!