「ふつつかな悪女ではございますが」は慧月(けいげつ)の手にかかり、身体が入れ替わってしまった玲琳(れいりん)が主人公となる、ファンタジー作品です。
体が弱かった玲琳が、持ち前だった鋼のメンタル×健康な体によって次々と逆境を乗り越えていきます。
慧月と玲琳はどうなるのか、2人が入れ替わったことに気づく人物はいるのか…?
ふつつかな悪女ではございますがのネタバレ・感想を紹介します!
ふつつかな悪女ではございますがのあらすじ
舞台は詠国後宮内(えいこくこうきゅうない)。権力闘争により肥大化した後宮が生理され、現在は5家からのみ妃を受け入れ、皇后と四夫人の座を分けられている雛宮(すうぐう)で事件は起こる。
玲琳(れいりん)は次期妃育成の中で誰もが認める雛女(ひめ)であり、周囲だけでなく殿下からも寵愛を受けている。
一方の慧月(けいげつ)は5家の雛女でありながら「雛宮のドブネズミ」と呼ばれ、周囲から卑下されてきた。
七夕の夜、慧月(けいげつ)は「忌々しい女め、消えるがいい」と叫び、玲琳(れいりん)を突き落とす。
目を覚ました玲琳(れいりん)は何故か牢獄に捉えられており、慧月(けいげつ)と身体が入れ替わっていることに気づいて…
ふつつかな悪女ではございますがの登場人物
ふつつかな悪女ではございますがの主な登場人物を紹介します。
黄家:黄 玲琳(こう れいりん)
「殿下の胡蝶」と呼ばれ、殿下だけでなく、周囲の家臣からも愛される。
美貌だけだなく、刺繡や舞など芸ことにも精通し、だれもが憧れる存在だが、病弱。
虫も踏みつぶさないほど慈悲深いとされているが、実は鋼のメンタルの持ち主。
慧月の健康な身体を手に入れ、逆境さえもポジティブに乗り越えていく。
朱家:朱 慧月(しゅ けいげつ)
5家の一人である慧月は「雛宮のドブネズミ」と呼ばれ、周囲から嫌われている存在。
道術が使える慧月は借金を重ねて自殺した両親がおり、そのことを知った朱貴妃により後継に指名され、雛女となった。
だれからも愛される玲琳を疎ましく思い、道術を使い体を入れ替える。
金家:金 清花(きん せいか)
5家の雛女の一人。
好きなもの好き・嫌いなものは嫌いとハッキリしている性格。
コソコソとした真似はしない性格だが、慧月を痛めつけるように莉莉に依頼する…?
現皇后陛下:黄 絹秀(こう けんしょう)
現皇后陛下。
玲琳は絹秀の姪にあたる。
芯の強い女性で、その元で育った玲琳が鋼のメンタルになるのも納得できる。
朱貴妃:朱 雅媚(しゅ がび)
四夫人の一人で序列の中では一番上。
四夫人の中では最も権限があり、慧月の後見人でもある。
両親を失った慧月を哀れに思い、雛女に選んだと言われているが…。
現皇后陛下である絹秀が殿下を身ごもっている時期に、朱貴妃も男児を身ごもっていたが、死産してしまったとうい悲しい過去がある。
殿下
現皇后陛下の息子。
玲琳の従妹にあたる存在で、玲琳を大切にしている。
玲琳のこととなると、周りが見えなくなってしまう。
鷲官長(しゅうかんちょう)
殿下の側に使えている。
後宮の風紀を取りしまる役割。
慧月が「慧月ではないのでは?」と一番はじめに怪しんだ人物。
生真面目過ぎる性格だが、慧月と入れ替わった玲琳の前では優しい顔を見せることもある。
莉莉(りーりー)
慧月の付き人である女官。
慧月に虐げられていたが、我慢強くそばに仕えていた…。
父親は朱家の人物で母親は移民の踊り子であったため、周囲からは「卑しい踊り子の娘」と呼ばれ苦しんできた。
差別を受けていた莉莉は、朱駒宮から抜け出すために耐えていましたが、慧月の起こした事件により、ボロ小屋へと追いやられ怒りが爆発する。
しかし、徐々に慧月と入れ替わった鋼のメンタルで自由奔放な玲琳に心を許し、口が悪いながらも玲琳を支える。
ふつつかな悪女ではございますがのネタバレ
ふつつかな悪女ではございますがのネタバレを紹介します。
慧月が体を入れ替えた理由
慧月が玲琳と体を入れ替えた理由は、周囲から愛される玲琳が憎かったからだと思われていました。
しかし、玲琳と対話をすることで、実は玲琳に憧れていたことが分かります。
捻くれてしまっていた性格のため、はじめは玲琳を憎んでいると思っていましたが、優しい玲琳の心に触れて本当の自分の気持ちに気づきました。
はじめは嫌な女の子でしたが、徐々にトゲがなくなり可愛らしく見えてきます。
莉莉に慧月をいたぶるように命じた人物
莉莉は慧月とともにボロ小屋に追いやられ、今まだ耐えてきた怒りが爆発します。
そんな莉莉の前に、金家の上級女官があらわれ、金家の女官になる代わりに「慧月をいたぶる」ように命じました。
莉莉は、金家の雛女である清佳が2番目の座を確実にするための作戦だと推理し、高級な精米と金家のかんざしを受け取ります。
しかし、どんな嫌がらせをしても慧月と入れ替わった鋼のメンタルを持つ玲琳には通用しませんでした。
そして、徐々に玲琳に心を許していきます。
「慧月をいたぶる」約束をしていた莉莉ですが、ボロ小屋で笑って過ごしてるとの報告を聞いた金家の上級女官は、自分に嘘をついていたのかと問いただす。
そして、確実な証拠が欲しいと本物の武器を手渡し、嫌がらせをおこなうように命じる。
「服を裂く」「髪を切る」「心臓を裂く」使い方は莉莉が考えろと、去っていく…。
追い込まれた莉莉は玲琳を襲いますが、紙一重のところで玲琳はその刃をよけます。
騒ぎを聞きつけた鷲官長がやってきますが、玲琳は莉莉をかばい事なきを得ます。
この出来事から、玲琳と莉莉の心の距離がグッと縮まるのです。
鷲官長の想い
今まで悪女であった慧月ですが、玲琳と入れ替わったことにより、言動が代わっていきます。
そのことに少しずつ気付いていた鷲官長は、慧月に想いを寄せるようになります。
しかし、殿下の方が玲琳と慧月が入れ替わっていることに早く気付いてしまいました。
「殿下よりも早く気付いていれば、あの瞳に自分の姿を刻み付けれたかもしれない…」と感じていました。
「狙った獲物は必ず仕留める。俺は鷲の名を戴いた武官なのだから」と想いを秘めていることから、まだあきらめていないことが分かります。
体が入れ替わった慧月と玲琳の最後はどうなる
体が入れ替わった慧月と玲琳は、最終的には元に戻りますが、時折体を入れ替えて過ごしていきます。
しかし、元の体に戻ったのは「皇后陛下暗殺事件」という後宮を揺るがす大事件が起きた後です。
この事件をきっかけに、莉莉に慧月をいたぶるように命じた本当の人物が明らかになっていきます。
また、事件解決後にはもう一波乱起きそうな展開が待ち受けているので、続きが気になる人は、まずは無料試し読みから手に取ってみてはいかかでしょうか?