人気少女マンガ『プライド』はすでに完結している作品です。
今日は、その最終回と結末についてわかりやすく解説します!
最終回の内容が気になっているみなさん、ぜひ注目して読み進めてみてください。
「プライド」原作のあらすじまとめ
『プライド』は、オペラ歌手を目指す二人の若い女性、麻見史緒と緑川萌の物語です。
史緒は音楽大学のエリートで、いよいよ卒業を間近に控え、オペラ歌手としての未来がとても輝かしいように思われていました。
彼女は裕福な家庭に生まれ、父親が企業を経営しており、何不自由ない生活を送っています。
一方で、緑川萌は苦学生であり、シングルマザーの母親がいます。彼女もまた、オペラ歌手を目指していました。
ある日、史緒のところにクリーニング派遣として訪れた萌と偶然出会い、余っていたチケットをきっかけに二人は一緒にオペラを観に行くことになります。
劇場で史緒が業界人たちと華やかに交流する様子を目の当たりにした萌は、自分との違いを痛感し、心の中で苦しんでしまいます。
しかし、その後、史緒の家庭にも大きな変化が訪れます。
なんと、父親から会社の倒産と海外留学計画の中止を告げられ、突然のことに史緒は途方に暮れます。
そんな中、大学の先生の勧めで、イタリア留学が賞品のオペラコンクールへの参加を決めます。
そして意外なことに、困窮していた萌も同じ一般人向けのコンクールに応募していたのです。
「プライド」に登場する人物を一挙紹介
『プライド』の物語は、色々なキャラクターが登場して、とても魅力的です。主要な登場人物について簡単に紹介しますね。
麻見 史緒(あさみ・しお)
麻見史緒は、高いプライドを持つ気高いお嬢様で、とても恵まれた家系の女性です。
彼女の母親である、木原さわこという女性は著名な歌手でしたが、史緒が幼い頃に亡くなりました。
父親は経営者でしたが、物語中でその企業が倒産し、一家は財産を失います。
史緒は素直で正直な性格の持ち主で、母を早くに亡くしたことから、少しファザコン気味です。
史緒の人生において重要な人物の一人が、後述する「池之端蘭丸」です。
彼は史緒が無一文になった後も、彼女を何かと支えてくれる存在で、史緒は彼に恋心を抱きます。
しかし、オペラ歌手としての夢を諦めきれず、最終的には金銭的なサポートを条件に神野隆という御曹司との契約結婚を承諾します。
この契約結婚の条件とは、神野からの資金援助を受ける代わりに結婚するというものです。
緑川 萌(みどりかわ・もえ)
緑川萌は、オペラ歌手を目指していますが、麻見史緒とは全く対照的な家庭環境で育っているのが特徴です。
萌の父親はおらず、唯一の肉親である母親は非常にだらしなく、萌が稼いだお金に手を出すこともしばしばです。
そのため、萌は母親に対して強い憎しみを抱いています。
外見は可愛らしいですが、その性格は僻みっぽく、残忍な一面を見せることもあります。
恵まれた環境で育った史緒に対して、コンプレックスの塊である萌は、何かと攻撃的な態度をとります。
この2人の対立は、プライドの物語の中で重要な要素の一つです。
また、萌は史緒が資金援助の代わりに婚約している「神野隆」に恋愛感情を持っています。
これがさらに物語の複雑さを増している要因となっており、史緒と萌の間には、恋愛面でもヒリついた緊張が生じています。
池之端 蘭丸(いけのはた・らんまる)
池之端蘭丸は、史緒と同じ大学の音楽学部でピアノを専攻している学生です。
史緒の父親が経営していた企業が倒産し、彼女が経済的な困難に直面している際に、蘭丸は何かと助けてあげました。このことがきっかけで二人の関係が深まります。
しかし、史緒が徐々に蘭丸に惹かれていく一方で、蘭丸自身は史緒に対して恋愛感情を持っていませんでした。
蘭丸はピアノを演奏し、作曲も手がける音楽家で、自分の曲のインスピレーションをかき乱されるような強烈な感情を最も求めています。
彼は、自分の音楽を捧げることができる、自分だけのディーヴァ(女神)を探していたのです。
そのため、彼にとって史緒は大切な友人であり支える存在であっても、恋愛の対象とはなり得なかったのです。
神野 隆(じんの・たかし)
神野隆は、音楽業界で名高いクィーンレコードの御曹司であり副社長です。
家族からは結婚を急がされており、そんな中で史緒と出会います。
史緒は、父親の倒産が原因で海外留学ができなくなり、経済的に困窮してしまいました。
そこで神野は彼女に結婚を提案し、その代わりに資金援助をするという取引を持ちかけます。
この提案は、一見するとビジネスライクで愛情を感じさせないものですが、実は神野は史緒の母、木原さわこに対して初恋に近い感情を抱いており、母に瓜二つの史緒に一目でぞっこんだったのです。
プライド最終回までのあらすじを解説!史緒を露骨に嫌う萌
『プライド』は、音楽を中心に展開する少女漫画で、様々な登場人物が自身のプライドと向き合い、複雑な恋愛模様を通じて成長していく物語です。
ここでは、その最終章までの大まかなあらすじを紹介します。
史緒に憎悪むき出しの萌
史緒と萌は同じ音楽大学に通い、オペラ歌手を目指していますが、二人のバックボーンは大きく異なります。
史緒はお金持ちの父の愛情に包まれて育ち、何不自由ない生活をしてきました。
一方の萌は、問題を抱えた母親に育てられ、「産まれてこなければよかった」と罵られながら成長してきました。
音大の設備も悪く、レベルも高くないため、学費はバイトをして稼ぎまかなっています。
ある日バイトでたずねた史緒の家を見て、自分の境遇と比べて萌はますます惨めな気持ちになります。
その後史緒は、運悪く父親の会社が倒産し、留学資金がなくなったため、アマチュアのオペラコンクールに応募します。
このコンクールの金賞はイタリア留学ができるというものだったからです。
そして萌もまた、資金がない中で同じコンクールの賞を求めて参加していたのでした。
コンクールが進む中で、萌は表面上は史緒を褒める一方で、内心では彼女に対する嫉妬をふつふつと抱えていました。
そして最終審査の前に、萌は史緒にショッキングな事実を告げます。
「木原さわこは娘をかばって事故に遭い死んだ」と、史緒の母の死因を言い放ってしまったのです。
この真実を初めて知った史緒は大きな衝撃を受け、動揺したまま何とか舞台に立ちますが、その影響でうまく歌えず、金賞を逃してしまいました。
一方、萌はそのチャンスをつかみ、金賞を獲得してイタリア留学の資格を手に入れます。
その後も、コンプレックスの塊である萌は、史緒に対していらだちをぶつけるように辛辣な態度をとり、何かと対立する日々が続きます。
史緒と萌は相性最悪!しかしユニットを組んで歌うと抜群
父親の企業が倒産してから、史緒はお金を稼ぐため、蘭丸の誘いで彼の母親が経営するクラブでプリマドンナとして働き始めました。
蘭丸はピアノを演奏し、史緒は歌を歌います。
同じく、萌も学費を稼ぐため、そしてもっと上品な振る舞いを身につけるためにそのクラブでホステスとして働き始めました。
ある日、お客さんの注文で萌と史緒が一緒に歌うことになりました。
二人は渋々ながらも仕事だと割り切って歌いましたが、一度歌い始めると、そのデュエットの完成度に戸惑いを覚えます。
史緒は、2人だとなぜだか歌いやすく、声が気持ちよく出せることに驚き、歌うことの喜びを新たに感じます。
一方で萌も、私ってこんなに歌が上手かったのかなと思うほど自分の声に驚きます。
こうして二人は初めて一緒に歌ったにも関わらず、まるで何年も前から一緒に歌っているような感覚になりました。
性格では合わない萌と史緒ですが、なぜか歌の相性は抜群でした。
萌の歌い方の癖を史緒が支え、史緒の伸びやかで美しい声が萌の表現力を際立たせます。
二人は互いの足りない部分を補い合い、長所を引き出し合うことができました。
その素晴らしいハーモニーを聞いた蘭丸は、自分が求めていた歌姫とは、萌と史緒だったんだと確信し、三人で「SRM」というユニットを作ることを提案します。
このユニット名は、史緒、蘭丸、萌の頭文字を取って名付けられました。
史緒の蘭丸への恋の行方
史緒の父親の会社が倒産し、生活に困っていた時、同じ大学の友人である蘭丸が何かと世話を焼いてくれました。
そんな蘭丸の優しさに触れ、史緒は徐々に彼に好意を抱くようになります。
しかし、史緒が蘭丸への気持ちにはっきりとした確信を持てない中、神野隆から予期せぬ提案がありました。
神野は家族から結婚を急かされており、オペラ劇場で出会った史緒を結婚相手として選んだというのです。
神野は史緒に、自分と結婚すれば留学費用を全額負担し、歌を続けることも許すという、非常にメリットの大きな提案をしました。
蘭丸には優しさを感じていたものの、蘭丸からは恋愛感情を持たれていないんだと感じた史緒は、傷心のうちに神野との契約結婚を受け入れる決断をします。
一方、神野に密かに恋心を抱いていた萌は、史緒が神野と契約結婚を結ぶという事実を知り、激しい怒りを感じます。
自分が何かを手に入れようとするたびに、すべてを持っているように見える史緒への嫉妬が爆発し、その怒りを抑えきれずに史緒に襲いかかってしまいました。
この出来事が二人の間にさらに大きな溝を作ってしまいます。
史緒の婚約者になった神野。一方で諦めきれない萌は行動に
SRMとして結成された後、しばらくして萌はイタリアへ、史緒はウィーンへ留学しました。
蘭丸はニューヨークで活動を始めますが、3人が離れていてもユニットは解散せずに、活動を続けられていました。
ある日、SRMの収録と撮影の目的で、3人は日本に戻ることになります。
しかしCMの撮影中、海岸で史緒が波にさらわれてしまい、蘭丸と萌によって救助され、病院に運ばれます。
この事故を聞きつけて、史緒のフィアンセである神野が急いで病院に駆けつけます。
神野が帰る際、萌は強引に神野の車に乗り、留学後の待遇について誓約書を求めます。
しかし熱中して話し合っている最中に、神野の車は接触事故を起こしてしまいます。
事故にもかかわらず、神野は事故の現場を放置し、車を発進させて逃げ出します。
その理由は、お正月ゆえに少しお酒を飲んでいたこと、また自身の会社の株主総会を控えており、事故が公になることを避けたかったからです。
しかし、萌は事故に遭った親子のもとへ行き、神野に10万円を支払わせてその場をうまく和解させました。
この行動に神野は心を動かされ、その夜、神野と萌はついワンナイトしてしまったのです。
萌が妊娠!一人で産む決断をする
イタリアに戻った後、萌の状況は少しずつ好転していきました。
コンクールの準備を順調に進めていた中、萌のお腹に妊娠していることに気づきます。
最初は、父親がイタリアでの恋人マルチェロか、一度だけ関係を持った神野か、はっきりとしなかったため萌は混乱します。
日本に帰国した際、病院で妊娠日を逆算してもらい、その結果、赤ちゃんの父は神野だと確かになりました。
しかし、そのことを知った萌の母親が現れ、神野からお金を得るよう萌に迫ります。
金銭を求める母親のプレッシャーに苦しみながらも、萌は母親からの追及を逃れるために、子供を堕ろしたことにしてイタリアに戻る決断をします。
イタリアに戻った萌は、一人で子供を育てる覚悟を固めました。
彼女はこれから人生を新しくリセットして、子供にとってより良い環境を整えるために、自分自身を強く持つことを決心し母の顔になったのです。
強い覚悟を持った萌は12巻でチェックできるぽん!
漫画・映画完結!ラスト「プライド」の最終回の結末ネタバレと最後の展開とは
マンガ『プライド』の最終章では、史緒がだんだんと神野に心を開き、彼のことが好きになっていきます。
一方で、萌は神野の子供を身ごもったまま。最後は二人にどんなことが起こってしまうのでしょうか?
SRMのレコーディングのため一時帰国した史緒と萌
SRMというグループのために、3人が久しぶりに日本で集まりました。
その時、萌はすでに妊娠が進んでおり、お腹も大きくなっていました。
3人は久しぶりに一緒に音楽を奏でることになります。
妊娠してからの萌は、以前よりも優しさが感じられる歌声になりました。
そして史緒も、神野との関係が安定していることから、以前よりも魅力的で落ち着きのある歌声に変わっていました。
蘭丸のピアノの技術も向上しており、3人の音合わせはスムーズに行われました。
レコーディングの休憩中、萌がお腹を愛おしそうに撫でながら歌っているのを史緒が見かけます。
史緒はその姿を見て、萌の母なる美しさに気づき、感動します。
萌は以前は他人を羨ましがり、欲が強かったのですが、今は一変して人を愛する喜びで満たされていました。
あなたは素敵だわ。あなたと歌える事が私の誇り。これからも一緒に歌っていきたいと史緒は萌に伝えます。
この言葉を聞いた萌は、これまで史緒にしてきたことを振り返って深く反省し、「もう絶対にこの人を傷つけたくない」と心から願うのです。
翌日、レコーディングが無事に終わり、別れ際に萌は史緒に最後のさよならを伝えました。
イタリアで子供を産んで育てるため、ここでお別れするということです。
この時は最後まで、神野が父である事実は伝えずに去ることにしました。
なお、以前に一度だけ父親が神野だと伝えていますが、その時は史緒は信じませんでした。
萌が妊娠したことを知った神野は
史緒と萌は仲直りをして、お互いに対して優しい気持ちを持つようになりました。
しかし、神野は自分が萌のお腹の中の子供の父なのだということを知っており、悩んでいました。
萌からは一人で育てると言われていましたが、史緒に嘘をつき続けることはできないと感じ、やはりすべて失うとしても全部を打ち明けることにしました。
神野がその事実を話したとき、史緒はとてもショックを受けました。
史緒は「結婚は取引だと言ったけど、あなたの自由を考えていなかったことになる。自分はたくさんの援助と自由を受け取ってきたのに」と言いました。
もちろん神野は好意があったため、契約だけの関係を否定しましたが、史緒は納得できませんでした。
史緒は怒りから結婚を解消すると決め、「あなたが思うような良い妻にはなれない」と言い放ちます。
そして、神野に謝りながら涙を流して去っていきました。
神野は事実を告げる時点で覚悟していたものの、やはりショックを受けていました。
神野は口では結婚は取引だと言っていましたが、実は史緒に一目惚れしていたからです。
婚約が破棄されても、神野は史緒の未来を支えるために、これまで通り援助をすることを決めました。
結婚式は3日後に予定されていましたが、中止になると聞いた神野の秘書、有森は、会社のためにも何とか結婚式を実施してほしいと奮闘します。
有森は神野に伝えずに史緒を説得するべく、史緒と萌が以前働いていたクラブのオーナーである蘭丸の母親に頼みます。
蘭丸はすぐに駆けつけ、史緒の本心を聞き出し、そして史緒が後悔しないような選択をするようにすすめました。
蘭丸は、すでに史緒が神野のことを愛し始めていることに気づいていました。
蘭丸に「好きだからこそ嫌だと思うんだよ。言いたくないけど、愛してるってことだ」と言われ、史緒は素直な感情に気づきます。
そのまま神野のもとへ行き、「あんなに辛い思いをさせるなんてひどい。一生かけて償って」と言いました。
この言葉で二人は仲直りをし、結婚式も予定通り行われることになったのです。
萌の壮絶な出産・そして別れ
萌は、イタリアでのSRMの収録を終えた後、幼い頃から自分を大切にしてくれた「ふみよおばちゃん」が心臓手術を受けると聞き、日本に帰国していました。
手術が無事に終わり、イタリアへ戻る前に、おばちゃんの店の掃除をしていた萌は、「今頃は結婚式かな。二人が幸せになりますように」と願っていました。
その時、萌の母親が現れて、神野の子供であることを公表するよう求めました。
もちろん萌は最初は反発しましたが、母はただお金が欲しいわけではなく、子供には父親が必要なんだと説明しました。
今までずっと萌に対して厳しくあたっていた母親ですが、この言葉から、萌に愛情を持っていたのだということを感じさせる印象的な瞬間でした。
喜びの涙を流していたその時、不幸なことに突然地震が発生しました。
ふみよおばちゃんのお店は老朽化しており、地震で崩壊し始めてしまいます。
母親はとっさに身重の萌を守り、自身は建物の下敷きになって亡くなってしまいました。
「私だって何か1つくらいあなたのためになりたい」という印象的な言葉が最後でした。
母親が亡くなるのを見てショックを受けた萌は、破水してしまい、いよいよ出産が間近に迫っていましたが、「私のせいでママが死んだ」と弱気になって泣いていました。
容体が悪化して病院に運ばれた萌の元には、すぐに史緒が駆けつけました。
史緒はパニックに陥っている萌に対して、「産みなさい!あなたのママが命をかけて守った子よ。私が育てる。あなたは産むだけで大丈夫」と励ましました。
史緒の言葉に心を落ち着かせた萌は、なんとか女の子を出産することができました。
出産後、萌は「史緒さんみたいに自分に誇りを持って生きてほしい。あなたは私の憧れ」と言い残し、その言葉を最後に亡くなりました。
3年後・新しい家族の形へ
萌が亡くなった後、彼女の娘「美恵」は神野と史緒によって養女として引き取られていました。
美恵という名前で新しい家族の一員として迎え入れられたのです。
史緒はその後、オペラ歌手として成功し、世界中で公演を行うようになりました。彼女の才能と情熱は今も多くの人々を魅了しています。
ところで今日は美恵の3歳の誕生日。史緒は公演を終えて自宅に向かっていました。
家では、美恵の誕生日を祝うために、家族や蘭丸が集まっています。
みんなが美恵の成長を喜び、特別な日を楽しく祝っているのです。
美恵自身もすくすくと成長しており、今では蘭丸のお嫁さんになりたいと話しているほど。
家族や周りのあたたかい人々は、彼女のこの可愛らしい願いを聞いて微笑んでいます。
史緒は公演の疲れを忘れて、神野、美恵、そして家族が待つ温かい家に帰るのでした。
今は彼女にとって、この家は世界中を飛び回る中での安らぎの場所であり、愛する人々と共に過ごす時間が何よりも価値あるものと感じているのです。
プライドは完結している作品のため、気になる人は今すぐ読み進めてみてはいかかでしょうか?